
超音波検査とは?
お産の時などに使用される分娩監視装置と、超音波断層装置とが産科医療に導入されるようになって、 それまでの神秘としかいいようのない抽象的かつ偶発的な結果に依存していた妊娠とお産が、 科学に裏付けされた客観的な事実として明らかになってきました。
超音波断層装置をつかう検査(超音波検査、エコーともいう)は、その特徴から医療の他の 科よりも産婦人科、とくに産科で多く使用されそして発展してきました。
超音波検査の特徴
- 副作用がほぼない (レントゲン検査なら放射能による被爆の問題がある)
- 痛みがないから何回でもまた比較的長い時間の使用にも可能である。
- 検査前の準備があまりいらない(尿を貯めておく場合もある)。
- いくつかの性質の異なったものを重ねて検査するのに有利である。
- 対象に動きがあるものを瞬時に、かつ経時的、経日的にしらべるのによい。
妊娠週数別に見る健診内容
さて、産科において、妊娠の経過とともに超音波検査で明らかになることは次々と変化していきます。
例えば、生まれてくる赤ちゃんに体重の個人差があるように、こと体重だけをとっても胎児にも個人差があります。
つまり、胎児を健診するにはそれに適した週数があるということです。
2D・・・2次元超音波
4D・・・4次元超音波
6~8週(2D)
子宮内妊娠かどうか・・・(※子宮外妊娠でないか)
胎児の心拍動の検出は・・・(※生きているか)
胞状奇胎などの異常妊娠でないか
単胎か双胎(一絨毛膜性/二絨毛膜性か・・・胎盤の数)
胎嚢(GS)や頭臀長の計測で出産予定日の推定
10週(4D)

胎児の頭臀長(CRL)の計測で出産予定日の確定
胎児に頭部があるか
20週(4D)
児の臓器や外表などに奇形はないか・・・
胎盤の位置はどうか、胎児の性別は・・・
24週(4D)

胎児の体重など発育の程度は・・・
胎児の臓器や外表などに奇形がないか
胎児の性別は・・・(※男・女)
28週(4D)
胎児の体重など発育の程度は・・・(※正常・大きめ・小さめ)
胎児の位置は・・・(※頭位・骨盤位=逆か子)
32週(4D)
胎児の体重などの発育の程度は・・・(※大きめ・小さめ)
胎児の位置、胎盤の位置の異常はないか
臍帯の異常はないか(胎児の頸部に巻いているなど)
羊水の量(羊水ポケット)は・・・(※正常・多い・少ない)
36~38週(2D)
胎児の体重など発育の程度は・・・(※大きめ・小さめ:子宮内で胎児は元気かどうか)
羊水の量(羊水ポケット)は・・・(※正常・多い・少ない:子宮内で胎児は元気かどうか)
胎児の位置、胎盤の位置、臍帯の異常はないか
40週(2D)
胎児の体重など発育の程度は・・・(※大きめ:巨大児・小さめ:低出生体重児や新生児仮死)
羊水の量(羊水ポケット)は・・・(※多い:まだ元気・少ない:低出生体重児や新生児仮死)
※なお、次の方では超音波の回数は多くなります
・前回子宮内胎児死亡、死産または低出生体重児を出産された方
・妊娠中毒症などのため胎盤機能低下が疑われる時
・双胎妊娠や骨盤位妊娠